そもそも沖縄の披露宴とは、どのようなものなのか。内地(本土)のそれと何が違うのか。ビデオカメラマンの仕事をしながら徐々にわかってきた。
①出席者がめちゃ多い
内地の披露宴の参加人数は、50~80人くらいで、多くてもせいぜい100名ほどだが、沖縄の場合、通常150~250名、多いときには350名近くにもなる。沖縄の人は、親戚を全員よび、今の職場の人、前の職場の人、中学の友人、高校の友人、大学の友人、など、知り合いみんな、ウェルカムなのだ。地元の友達だけで、30人くらい呼んだりする。
テーブルは通常8~9人掛けなのだが、出席人数が多すぎると11人掛けになってしまい、隣同士の隙間が皆無になってしまう。
昔はこの人の多さで会場内喫煙OKだったので、空気の悪さと酸素の薄さが半端なかった。会場は常にスモークが炊かれているかの状態だった。時代の流れで、いまは全ての会場が禁煙になっている。
②余興が本気
内地(本土)の余興の定番といえば、新婦の友人が数名で行う「新婦の取扱説明書」や「ビデオメッセージ」などが定番だが、沖縄は、みんな余興に対して本気なのだ。歌やダンス、短編映画並みに作り込んだ映像、「箱の中身はなんでしょう」のミニゲーム、巷で流行っているもの(最近まではバブリーダンス)、CMのパロディなどなど。
↑アキラ100%の真似が大流行。
職場では「今日は余興の練習」という理由で仕事を早く切り上げることができ、仕事場を借りて(もしくはちかくの公園で)遅くまでダンスの練習をし、そのあと、飲み会、という流れがあるらしい。衣装や小道具は何日もかけて自作する。
その他にも、「かぎやで風」などの踊りは必ず行うため、沖縄の披露宴会場には、ひな壇の向かい側に、余興用のステージが用意されている。
内地の会場の場合、ひな壇に近い方から、友人、職場、親族、両親の順になっている。両親は1番後ろの席で新郎新婦を見守り、友人や職場の人に近くで見てもらおうという配慮なのだろう。
一方、沖縄の場合は逆で、ひな壇に1番近い方から両親、親族、職場、友人の順になる。新郎新婦に1番近い席で両親は見守っている。友人席はステージ近くに配置され、披露宴の中盤くらいからは、居酒屋と化している。
つづく