埋立地について

神戸空港を利用したことがある人ならわかると思うが、スカイライナーで三宮駅まで約30分、埋立地を通る。

病院や運動公園、会社のオフィスや工場などで構成されているこの埋立地は、夜から朝にかけて人が誰もいなくなる。街全体が閉店した店内のように一部の安全機能を残しその他の機能を停止する。

以前、私が通ったとき、朝も早かったので、これから街が起動し始めるところだった。薄暗い町には、不自然なくらいまっすぐな道とそこに等間隔で生えている信号の灯りが点々と続いている。

絵に描いたようなまっすぐな道を走る車はおもちゃみたいだ。

巨大な病院のような、ビルの中をよく見ると、薄暗い中をたくさんの人がエスカレーターを登っている。

これも、どこか無機質でロボットのようにみえる。

沖縄の泡瀬という場所にも埋立地がある。ここは私が大学生のころ、よく目的もなくドライブしにいっていた。

この埋立地は、食品や工業製品の工場で構成されている。

ここを夜中ドライブすると、世界で自分1人だけになったような、まるでSF映画やゾンビ映画の主人公の気分になる。

もともと地面のないところに地面をつくって、街をイチからつくるって、すごい想像力だ。公共施設はこの辺につくって、道路はこのくらいの幅でつくって、ここに駅をつくる・・・。

そうやってできた人工の街。

自然の中で育った私にとって、未来都市そのものだった。

遠い未来、ロボットが支配する世界になったら、こんな静かな街が増えるのだろうか。

シンギュラリティは近いのだろうか。

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