その状況を楽しむ

披露宴が終わり、一度ホテルに戻って、

歩いて二次会会場のBARへ。

BARはまだ、一般のお客さんがいた。

「なんで一般の客がいるんだよ!今日貸切りじゃないのかよ!」と、

いう人もいた。

それもそうだが、そんなこといってても、現状が変わるわけでもない。

みんなBARの前の道で待っていたが、まだしばらく時間がかかりそうだったので、

わたしはY井を誘って、繁華街を散歩することにした。

居酒屋や夜の店が並ぶ。同じ日本でも、その場所によって雰囲気が全然ちがう。

小さな餃子屋が目に入った。中を覗くと、細長くて狭い店内にはカウンターだけで、

お客さんはみな焼き餃子とビール。

「美味しそうだからちょっと食べてみよう」

偶然2席だけ空いていたので、すぐに座り、

餃子とビールを注文した。

メニューを見ると、料理は焼き餃子のみ。なんという潔さ。

5分後、焼きたての餃子が目の前に現れた。

「やべぇ・・・うめぇ・・・」

2人とも感動した。

ビールが進む進む。

ペロリと一皿食べてしまった。

そのあと、BARの隣にあるおしゃれなジェラート屋で、

男2人でジェラートも食べた。

これもうまかった・・・。

BARに戻ると、相変わらず浮かない顔で待っているみんな。

私たちはキラキラした笑顔で餃子の感動を話した。

「餃子、ちょーうまかったよ!!食べに行ってみて!」

どんな状況に置かれても、その状況を楽しむ方法を知っておけば、

人生はいつも楽しい。

みなはいう。

「え、じゃぁ、その餃子、買ってきてよ。」

私たちは答えた。

「いやだ!めんどくさい!自分でいってこい!」

状況を変えるのは、行動だ。

行動したものだけが、見える世界がある。

後で知ったが、そのお店は、結構有名なところだったらしい。

店の名前は「黒兵衛」

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