「なんだか、ありがとうございます」の日

学生が増えたので学生寮を新しく借りることになった。

部屋に設置する2段ベッドをリサイクルショップで探していたら、

糸満のリサイクルショップに一台あることが判明した。

さっそく電話すると、比嘉さん(仮名)といううちなーなまりのおばちゃんが対応してくれた。

糸満に支払いにいくのは大変なので、振り込み先をファックスしてもらうことに。

上司が出張中だったため、2~3日振り込めずにいると、リサイクルショップから電話がかかってきた。

振り込みの催促だろうとおもって電話にでた。

「もしもし、すみません、まだ振り込めてないんですよ。」

「あ、よかった、松野さん、この間の電話で喉がガラガラだったから、風邪で寝込んでるのかねぇとみんなで話してたんですよ。」

「えっ」

わたしはもちろん比嘉さんにあったこともないし、

電話でのやり取りも2~3回くらいしかしていない。

にもかかわらず、彼女は振り込まれていない事実を、私の体調が悪いからかもしれないと予想し、わざわざ電話してくれた。

緊張感を持って仕事をしていた私は、

比嘉さんの思わぬ気遣いに不意を突かれ、

笑いがこみ上げた。そしてその言葉に感動し、こう返した。

「なんだか、ありがとうございます。私は元気です。この間、カラオケでXjapanを歌いまくったので、喉が潰れていただけです。」

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