「あぁ、おれやってたんだ」の日

日本語学校で働いていて思うことは「言語が大切である」ということ。

今まで英語もろくに勉強してこなかったのでひどく後悔していた。

あるとき、

私が音楽活動していたこともあり、初級クラスに歌を教えることがあった。

曲はAKB48の「365日の紙飛行機」

まだ日本語も満足に話せない人たちに、

歌詞の意味を英訳文で説明し、歌い方を説明することは、かなり大変だった。

しかし、言葉の意味はわからなくても、メロディーにのせて口ずさむことで、

毎日練習するうちに、自然と歌を覚えていった。

私は、体で感じることが大切だと思い、

生徒のみんなで実際に紙飛行機を折って、誰が一番遠くに飛ぶのか競争した。

朝一番のみんなが眠そうにしている授業も、発声練習をして刺激を与えた。

そして、校内スピーチ大会で素晴らしい歌声をみんなに発表できた。

歌の授業を終えて、ひとつわかったことがある。

「音楽は、ひとつの言語だ。」

わたしは英語は満足にできないけど、

ドラムが目の前にあればセッションするくらいのスキルはある。

つまり、音楽で「会話」ができる。

身をもってそれを実感したとともに、

「なぁんだ、おれ、言語学習してたんじゃん」

と勝手に自信にした。

まったく違う世界に飛び込んで、初めて気付くことがある。

自分では当たり前にやっていたことが、他の人が見ると「すごいね」と言われたりする。

そこで自覚する。「あぁおれ、やってたんだ」って。

みんなもそういう瞬間に遭遇したら、自分のすごさに気づいてあげてね。

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