気づいたら車で寝ていた。
私は昔から車の狭い空間が好きだ。
小さい頃、ワンボックスカーの後部座席の間の足元に潜り、
ゲームボーイをしたり、漫画を読んだり、CDを聞いたりした。
この秘密基地みたいな空間が大好きだった。
大人になっても、ラジオを聴きながら車で弁当を食べたり、
エンジンの振動を感じながら仮眠したりするのが好きだ。
漫画喫茶の空間にも似てる気がする。
もっと記憶を遡れば、洞窟に秘密基地を作って遊んだことを思い出した。
狭くて暗い、自分だけの世界に、ドキドキわくわくした。
今日もいつのまにか車で寝てしまった。
5時ごろラジオをひねると、oasisの「Whatever」が、
続いて、サチモスの新曲が流れて来た。
青白く揺らめく夏の朝に、朦朧とした意識を投影する。
今この瞬間が「夢なのか現実かわからない」という時間が、
たまらなく好きなのだ。
このまま世界の全てが、空に吸い込まれて、フッと消えてしまいそうな、
そんな危うさが、この時間には存在する。